白樺山か、目国内岳か。良く晴れた週末に人生を考える

2月の連休、どういうわけか知りませんが、その日は晴れていました。
晴れてしまってごめんなさい、ってくらい見事な青空でした。

野良テレマーク日和です

まだ今年が始まって1ヶ月と半分しか経ってないというのに、2011年の山運を使い切ってしまった感じさえする、ぼくにしてはきわめてめずらしい好天の野良テレとなってしまったのです。

とりあえず白樺峠をめざします。
目国内岳、前目国内岳、白樺山、どこに登るかは歩きながら決めればいいのです。

道道268号のゲートから先には、レールのようなトレースが付けられていました。
昨夜の降雪は10cmほどですが、その前の日の大雪が重みを増した状態で残っていて、トレースを外れると脛までの重たいラッセルになります。
ですので、ありがたく泥棒させていただきます。
盗んでいいのは、あの子のハートとラッセルだけだと、偉い人が言ってましたから。

トレースの先に目国内岳が真っ白。
トレースの先に目国内岳が真っ白

しかし数百メートル進むと、トレースは道道を外れて新見の沢の堰堤へ下りていくではないですか。
ははーん、先行者はひとり残らず目国内岳へ向かったんだな。
このままトレースを辿っていけば、わりと容易に目国内岳へ到達できるぞ、うふふ。

だけどもなぜか、ぼくの目にはそのとき、沢とは別の方向にある丘の風景が映っていました。
そしてその、踏み跡の付けられていないまっさらの、白くてなめらかな雪面にすっかり誘惑されてしまったのです。
イチコロですよ。
人はときどき、よく分からない理由で進む方向を決めてしまうんですね。
だから人生の方も・・・。

まだ誰も歩いていないぴかぴかの雪面に、刻む二本のスキーの跡。
まだ誰も歩いていないぴかぴかの雪面に、刻む二本のスキーの跡。

道道を離れ、地形図をじっくり吟味しながら小さな沢を二つ越えて、幅のある尾根に乗っかって高度を上げ、ふたたび道道が見えてくると白樺峠です。

風の音しか聞こえない白樺峠。
風の音しか聞こえない白樺峠。

ここでまた、進路を決めなくてはなりません。
峠の西の、無木立の広大なオープンバーンがある前目国内岳か。
峠の東の、起伏のある疎林のツリーランを楽しむ白樺山か。

距離も高低差も、両者そんなに違いはないのですが、やはり人生にもスキーにも、すこしばかりの起伏と障害物は必要だ!そうだそうだ!。
というわけで白樺山へ向かうことにします。
といっても人生の方は、谷底の倒木にずっと絡まったままではありますが。

ほんとうに白樺ばっかりの、白樺山の疎林を抜けると、どかんと空間が開けてきます。
ですが決して振り返ってはいけません。

むぅ。あっちの山のオープンバーンにしときゃ良かったかのぅ。
むぅ。あっちの山のオープンバーンにしときゃ良かったか。

振り返るな振り返ると終わりこの世はそんなもの、とユニコーンも歌っていたじゃないですか。
それなのに振り返っちゃうんだから。
ま、どうせ向こうの葡萄は酸っぱいに決まってら。フン!。

尾根の上にはガイジンさん。オーだかウーだか叫んでるけどようわからん。
尾根の上にはガイジンさん。オーだかウーだか叫んでるけどようわからん。

稜線に上がると、予想はしてたけどけっこうな勢いの風が吹いています。
風に叩かれまくった雪面には、ストックのシュピッツェを突き立てるのも容易ではありません。
ラッセルがないぶん楽に進めますが、ついに頂上の直前、白磁のような斜面にシールはむろんエッジも利かず、ここで終了といたしました。

見た目はマイセン、景徳鎮か。叩けば音は備長炭。もう進めない。
白樺山山頂直前。白磁のような雪面。もう進めない。

おととし登ったシャクナゲ岳にごあいさつ。
おととし登ったシャクナゲ岳にごあいさつ。

さて楽しい滑りの時間です。
ようやくぼくも、滑りを「楽しい」と言えるようになりました。
なんせちょっと前までは、スキーってのは下りがなければ楽しいんだけどね、などと発言してたらしいですよ。

がしかし、登ってきた尾根ではなく北よりの町界あたりを滑ろうと進んでいくと、最凶の悪雪に遭遇です。

最凶の悪雪。シュカブラ地獄。
最凶の悪雪。シュカブラ地獄。

まるでこれから先のぼくの人生を見ているかのような雪です。
こりゃどーやっても滑れません。
自然の造形美をバリバリと破壊しながら慎重に高度を下げると、ようやくお目当てのツリーランです。

朝と比べれば雪は重いけど、まだまだじゅうぶんパウダーです。
重めのパウダー。ツリーラン。

起伏のある沢を右に左に、テレマークで遊ぶ。

悪雪のあとのご褒美に笑いが止まりません。
野良テレ冥利に尽きるってもんですよ。

ツララも融ける光の春。
ツララも融ける光の春。

雪の陰影。
雪の陰影

もちろん今夜は温泉です。
スキーの後は温泉です

翌朝は、宿のワンコと戯れて、町へと下りていきました。
翌朝は、宿のワンコと戯れて、町へと下りていきました。

天気もよくて雪もいい。
もちろん山もいい山だし、温泉宿もここちいい。
そしてスキーは、コケても楽しいテレマークとくれば、一日じゅう落ち着きなくフワフワしながら、難しいことも簡単なことも考えないから頭の回転も止まってしまって、口元がゆるみっぱなしで日が暮れるわけです。

野良テレというのは、つくづくナマケモノの遊びですな。
え?、まるでお前の人生そのものじゃないかって?。
よせやい。

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1件のフィードバック

  1. いいねぇ?

    なんだろう、やっぱり環境的にも厳しい現実の世界なんだけど写真を通してみると非現実の世界に見える雰囲気がいいですね。

    っていか、白をこれだけキレイに撮れるって言うのも凄いと思いますが、hamaちゃんのキャラも相まっていいっす。

    あまり無理しないようにね。

  2. やはりですね、山は晴れてるほうがいいですね。
    ふだんあまり好天に恵まれないので、めったに晴れないこの時期にこーゆー天気だと、もう浮かれまくりです。

    何が驚いたって、雪山で快晴になっちゃうと、レンズの絞りがぜんぜん開けられないんですよ。
    f5.6ぐらいだと1/8000秒でも露出オーバー。
    自然光って偉大です。

    そろそろ無理のきかないお年頃ですから、安全第一でノラーリクラーリとやっていきますです。

  3. いやあ…すこぶるいい天気だったんですね!
    雪紋すごいですね!目が奪われました。
    眺める分にはいいですね!眺める分には…
    うはうはのちギャ?とはこの事でしょうか。

    まっさらな雪についたターンの線。美しいですね。
    何かが起こった後のような跡も…う、うつくしい。。

    盗んでいいのは、あの子のハートとラッセルだけ
    もうもう、、ばっっちり心に刻み込みました!!!!!!!

    恍惚な表情を浮かべるいぬっころ。。
    なかなかにセクシーです(笑)

  4. そうです。ギャ~はシュカブラだったのです。
    シュカブラは見て楽しむものであって、決してスキーで踏みこんではいけませんね。

    ぼくが雪面に三角関数のグラフを描けるのは、雪の状態がよいときだけなのです。
    ほんとにこの日の林間は、も、もしかして、テレマーク上手くなったんでないの?って錯覚するくらいいい雪でした。
    たいていの場合、描かれるのはカオスな曲線なのです。

    ここの犬、めっちゃツンデレです(笑)。
    春の陽射しにまどろんでる、ようにも見えますけど、実はこの表情、ツンなときの顔なんです。
    最初はもうメロメロのデレデレでよだれもダラダラしながら顔をペロペロてな感じだったのに、カメラを向けたらコレですよ。

  5. >盗んでいいのは、あの子のハートとラッセルだけ
    うまいこという!そうですか。。。盗んでよかったのか。。。

    そいであの、毎度のことですけど、
    あのガケっぷちみたいなとこ、下りちゃったのに、
    またセルフ後に回収に登り返したワケですか?(笑)(呆)

    あの「ぎゃー!」にはさ、
    今度「ミニチュアhamayoくん」を仕込んでいって、
    そこいらに置いてさ、ぱしゃ☆てやって、
    未知との遭遇的な構図で見てみたいカンジです(笑)。

  6. いやぁけっこうな雪遊び、うらやましゅうございます。
    セルフ撮りの件につきましては塩姐さんの突っ込みがありますので
    僕からは控えさせていただきます。
    「叩けば音は備長炭」、言い得て妙というかそのものというか、
    はたと膝を打ちました次第、恐れ入りました。

    ツララの下のお写真、凄いものですね。
    構図もモチーフもさりながら、どうやって露出を…
    壁に飾っておきたい一枚であります。

  7. to 塩姐さま

    そういや昔、She’s Gone という曲だけがやたらヒットしてその後は鳴かず飛ばずのハードロックバンドがおりましたよ。
    うん、それは Steel Hear だね、Steal ではないね。

    実はこのまえ小樽市内で、「Steal Life」という名前のアパートを見つけてしまったんです。
    なんか住んでるだけでどんどん寿命が短くなりそうな名前だなと思ったのですが、もしかして欧米にはこういう熟語があって、なんか別の意味でもあるのかな?と。

    えっと、、、それで、崖っぷちというと3枚目の写真でしょうか。
    沢に掛かったスノーブリッジを越えていくところなのですが、これくらいではまだまだ不毛感におそわれることはないですね。
    夏山で全力疾走したのに完璧に見切れてるときのほうがはるかに・・・。

  8. to いまるぷさん

    天気がいい日に山に行くと、帰るころにはそわそわしてしまうのです。
    これはきっと悪いことが起きる前触れだ。
    次の山は暴風雪か暴風雨か、いずれにしてもひどい目に遭うに違いない。
    もはやぼくは、晴天を心の底から喜ぶことが出来ない体になってしまっているのです。

    まったくもって雪というのは、表情ゆたかといいますか千変万化といいますか。
    ぼくには収集嗜好はないのですが、もし可能なら雪だけはコレクションしてみたいなと思っております。
    ここの雪なら、やはり器にして持って帰りたいです。

    拙い写真へのお褒めの言葉、その言葉を額に入れて飾っておきたいぐらいです。
    ツララの写真、露出はオートですがピントはマニュアルでして、正直どこにピントが合ってるのかサッパリ。
    たぶん、空気にピントが来ちゃってる気がします。

  9. >「Steal Life」という名前のアパート
    旅から帰っていろんな山にまみれてまして、
    遅れやしてごめんやして。

    確かなんかのゲームで”life-stealing”てな
    技というか手というかがあったような。。。
    こっちのコマをここまで進めたら相手のコマを取れる、的な。。。

    しかし、いずれにせよ、
    そんな名称のアパートメントには住みたくないですね。
    文字通り大家に足元すくわれそうで、ヤなカンジです(笑)。
    「うぶめ」かなんか、妖怪の館とかね。。。

    または、大家がそのバンド名を意図したのに
    スペルまつがっちゃった(^^;て可能性も?(<おっちょこちょいさん)。

    みんなに好かれるような名前にしとけばいいのにねぇ。。。

  10. これはこれはありがとうございますだ。
    地方都市のアパートって、ワケワカラン横文字っぽい名前付ける例が多いんですよ。
    いったいそれは何語なんだ?ってのも多いけど、さらに地方へ行くと、大家さんの名前を直訳しただけみたいなのが増えてきます。

    ハイブリッジ → 高橋さん
    ホワイトストーン → 白石さん
    マウンテンサイド → 山の近くかと思いきや、横山さん

    君たちはブリジストンタイヤか、と。

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