狩場山 真駒内コース 敗退

撤退を決める理由というのはいろいろある。
道を見失うことだったり、時間切れだったり、難所を通過する技量がないことだったり、怪我だったり、まぁとにかくいろいろある。
でも今回ぼくが、狩場山の途中で撤退した理由というのは、自分でもはっきりこれだというのが分からないのだ。

直接のトリガーとなったのは、残雪斜面のトラバースに危険を感じたことだ。
突っ込めば高確率で滑落してただろう。
安全に通過するための装備はなかった。

でも、もしアイゼンとピッケルを持っていたとしたら、ぼくは先へ進んでいただろうか。
分からない。

慎重に雪渓を歩く

もうその時点で、ぼくはそうとう疲れていた。
体力的なことではない。
そこまでの道のりを振り返り、また同じルートを戻ることを想像すると、いっきに気力が萎えていくのだ。
それくらい’いろんなこと’があったし、同じ数の’いろんなこと’をもう一度味わわなきゃならない。

もう沢山だ。
ここまで来られたらじゅうぶんじゃないか。
そう言って、きびすを返した、狩場山真駒内コースの、これは負けた記録だ。

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魅惑のファーストエイドキット

ファーストエイドキットという言葉にワクワクした経験はないでしょうか。
こどものころ読んだいわゆる野外生活マニュアル的な書物には、たいていファーストエイドキットなるものが紹介されていました。
薬はもちろんのこと、見たことのない器具や小さく折りたたまれた道具などがシステマチックに収納されて、赤地に白の十字がプリントされたバッグに収められている、あれです。

あれさえあればどんなケガや病気にも対処できるような気がしたし、持っているだけで熟練者として認めてもらえるんじゃないかと思ったものです。
もちろん実際には、持ってるだけでは意味がないばかりか使い方が分かっていないと用を足さないし、そもそもファーストエイドキットを開く事態にならないよう行動することこそが真の熟練者であることはいうまでもありません。

こどものころはただの憧れ、あるいはカッコつけのアイテムだったファーストエイドキットですが、年を取るにつれて自分の体の弱さや脆さが分かってくると、重要性は段違いに増してきます。
とくに、山の中で泊ったり、ほとんど誰とも会わないような山に行く場合はなおさらです。

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徳舜瞥山とホロホロ山

夏は、この日から始まった。

夏は、この日から始まった。

北国の季節の移り変わりは、ある日突然にやってくる。
だんだん暖かくなってきたね、だとか、いつのまにかもう秋ね、などというユルい変化はない。
カレンダーをびりびりと破いて、ハイ今日から夏です!、あるいは、ハイ春は終わりました!。
杭打ち機がヨサコイ踊ってるみたいな前夜の激しい雷は、まさに夏のスタートを告げる号砲だったのだ。

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安達太良山の風と空

夜が明けたばかりの小屋の中は、耳が痛くなるくらい静まりかえっていました。
小屋番もまだ起きていないし、3人組の寝息さえ聞こえてきません。

上半身を起こし、外を見ようとした瞬間、窓ガラスががたんと揺れました。
電車の中で扉のそばに立っていて、反対行きの電車とすれ違ったときみたいに、窓枠ごとガタガタと揺れました。
突風です。

事前に調べはついていましたが、今日の稜線は風との戦いになることは間違いなさそうです。
上空1500m付近の風速は、矢羽根にペナントが立つかどうか、つまり50ノット近い風が予想されましたし、それは遅い時間になるほど強くなりそうでした。

さいわい出発の準備はゆうべの内にすませてあります。
布団をきれいにたたみ、静かにストレッチを始め、朝食の合図とともに動けるように

布団をきれいにたたみ、静かにストレッチを始め、朝食の合図とともに動けるように備えます。

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あこがれの山、安達太良山

ごんぎつね、やまなし、それから・・・スーホの白い馬、なんてのもあったなぁ。
小学校のときなんてろくすっぽ勉強しなかったから、こういう作品がどんな内容だったかなんてまるで覚えていません。
それなのに不思議なもので、大人になってから文章の一節を見たり聞いたりすると、一瞬にして’覚えていないはずの記憶’がよみがえり、あのころに引き戻されてしまうことがあります。

ぼくの勝手な思い込みだったら許してほしいのですが、安達太良山と聞いてあなたは何を思い浮かべますかと問えば、おそらく日本人のほとんどは、智恵子抄と答えるのではないでしょうか。

  智恵子は東京に空が無いといふ、
  ほんとの空が見たいといふ。

    -中略-

  智恵子は遠くを見ながら言ふ。
  阿多多羅山の山の上に
  毎日出てゐる青い空が
  智恵子のほんとの空だといふ。

</引用>

ほんとの空と言いきれるほどの空を知っている智恵子の言葉を、ぼくはあどけない話などと思ったりはしません。
そして、そんな場所に故郷がある智恵子のことを、すこし羨ましく思うのです。

智恵子の言うほんとの空をいつか見てみたい。
夢と呼ぶにはいささか小さいけれど、長いあいだ憧れの山だった安達太良山に登ってきた、5月にしては暑い、そして風が強かった日の話しです。

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人参のひげ根

玄関のダンボールの中で、しばらく保存してあった人参を取り出してみた。

びっしりとひげ根を伸ばしている。

びっしりとひげ根を伸ばした人参

ダンボールに入れたときには、土が付いてただけだったのに。

ゆっくりゆっくり、じわじわと。

植物の時間の流れ方に驚嘆する。

あたりまえの日常

昨日も今日も、ぼくは休みだった。
本当なら今ごろは、山の中にいたはずなんだ。
どこか山の奥で雪洞を掘って、去りゆく冬を惜しみ、そこまで来ている春をお迎えに行こうと計画していたのだ。

だけど、そんなことが出来る状況ではなくなってしまった。
もう少し正確に言うと、そんなことをする気にならなくなる出来事が起こってしまった。

ぼくの身内は南相馬市にいて被災したけどちゃんと避難しているし、ぼくは被災していない。
いまのところぼくのまわりで目に見える大きな変化もない。
すこしばかり物の動きが滞っているようだけど、そんなのはぼく個人にとって不便というほどのものでもない。

だけれども、ぼくはいつもと同じことが出来なくなってしまった。
もう少し詳しくいうと、いつもと同じことをする気にならなくなってしまったんだ。

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Black Diamond Infinity 60 Pack Review

このザックのことについては、もっと早くに記事にしようと思っていたのです。
というのは、昨年の10月にこのザックを個人輸入したときの記事へのリクエストが、どえらい量になっていることにだいぶ前から気付いてたからです。
あれからずっと今日まで、検索キーワードの上位には常に “Black Diamond Infinity 60” があるのですが、今年の2月になってからそれが急激に増えており、ひょっとすると今シーズンは日本でも発売されるのだろうか?と思い、それなら早いとこ書いておこうと考えたしだいです。

購入時の記事はこちら。
Black Diamond Infinity 60 とか
http://hamayo.jp/mt/archives/2010/10/black-diamond-i.html

とりあえず、メーカーサイトです。
基本機能はこちらでチェックですな。

Black Diamond Infinity 60 backpack
http://www.blackdiamondequipment.com/en-us/shop/mountain/packs/infinity-60-pack/

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